『100万回生きたねこ』佐野洋子 【あらすじと感想】

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1977年からのロングセラー絵本

言わずとしれた名作。
子供の頃に1度は読んだことがある絵本ではないでしょうか。

「100万回生きたねこ」
作・絵 佐野洋子
出版社 講談社
出版年 1977年



そんな名作を改めて子供に読み聞かせをしました。

子供の頃に読んだ時とはまた違った印象をもち、絵本の奥深さを感じました。
以下、絵本のあらすじと私の感想です

あらすじ
ねこは、100万回も死んで、100万回も生きています。
100万人の人が、ねこを可愛がり、ねこが死んだ時には泣きました。
王様、船乗り、手品師、どろぼう、おばあさん、女の子など、ねこは様々な人に買われては死に、そしてまた生き返ります。
ねこを可愛がった飼い主は、ねこが死ぬと泣きます。
でも、ねこは一回も泣きませんでした。

ねこは飼い主なんか嫌いだし、死ぬのなんて平気。
自分のことが大好き。
あるとき、誰のねこでもない、のらねこになりました。

そして、100万回生きたねこのの生き方を大きく変える白く美しいねことの出会い・・・。

感想

この絵本を初めて読んだのは、幼稚園の頃だったと思います。
うっすらとした記憶では、「たくさん死んで、たくさん生き返ってるねこの話」
という単純で大まかなことしか覚えていませんでした。

そして、息子に懐かしい本だなっと思い、図書館で借りてきて読み聞かせをしました。

読み聞かせをし終わった後、目頭が熱くなっていました。

こんなに胸の奥が苦しく、切なくなる、奥深い絵本だったなんて知りませんでした。
子供の頃とは全く違った印象を持ちました。

人から愛されているけれど、自分から愛していない相手との人生。
そんな日々を100万回も送ってきたねこ。

でも、初めて自分から愛せるものを見つけたとき。
愛せることの幸せを感じる。

そして、愛するものを初めて失った時、初めて悲しみを味わう。
その愛が深いほど、悲しみも深くなる。
幸せを深く感じたかたからこそ、悲しく、虚しく生きることができ、死ぬことができる。

また、自分自身とも重ねながら、考えてみました。

今の自分は何回目の人生なのだろう。
本当に大切なものを見つけれているだろうか。
心から愛せるものに出会えているだろうか。


そして、その心から愛せるものにも、必ず別れが生じます。

なんて虚しくて切なくて、苦しい人生なんだろう。

100万回生きたねこみたいに、みんなのことが嫌いだったら、死んでも悲しくないのに。


でも、私は悲しい別れがあっても、虚しい人生であっても、その大切なものに出会うために、生きたい。

そんなふうに感じました。



一方、聞いていた息子は、「また死んで、また生き返った!」と不思議そうに聞いていて、
最後のオチの意味はあまりしっくりきていなかったようでした。

きっと小さいお子さんには、絵本の真意はまだ分からないでしょう。
しかし、私のように大人になって「こういう意味だったのか」って感じて欲しい。
意味深い絵本を読んでいたんだなって子供に実際に感じて欲しいと思いました。

この絵本は、読む人読む人によって解釈が違いますし、読む回数や時期によっても全く違ってくると思います。
なので、その時その時に感じた気持ちを大事にしたいなと思います。

その時に絵本に出会えたことは、きっとその時に読むべき絵本だったからです。

絵本との出会いも一期一会。
一度読んだ絵本だって、また違って見えたりして、面白いです。
この記事を最後まで読んでくださったあなたとも一期一会です。
更なる絵本との出会いを楽しみましょう!



最後までご覧になってくださり、ありがとうございます。

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